天守の起源の一つは四方を展望できる望楼である。最上階の5階は手すり(高欄)を巡らし、壁のない360度展望のきく望楼。
木彫り銅板張り、向かって左が雄で鱗が荒く右が雌。高さは2.08mあり(雄)、日本現存の木造のものでは最大である。 天守地階に昭和の修理の際におろされた古い鯱が展示されている。
三角形の部分をいい、天守の美観を構成する重要な部分である。
水に強い魚の飾りを屋根にほどこして木造建築を火災から守るために火除けのまじないとして取り付けられている。 松江城天守には野菜のかぶに形が似た蕪懸魚(かぶらげぎょ)がついている。
禅宗寺院の窓の意匠が始まりといわれ、飾りの一種である釣り鐘型の窓。三層の中央に配置されている。
各層の屋根の隅々にある鬼瓦は、後世のものとは違って角がほとんどなく、一枚ごとに異なった珍奇な表情をもっている。
天守入口の防御をかたくするためにとりつけた櫓で、入ると枡形の小広場が二段あって、侵入しにくいようになっている。 石落とし、鉄砲狭間を備えている。
姫路城や彦根城のような塗籠造り(白壁)は少なく、その大部分が、黒く厚い雨覆板でおおわれている。 板の黒い染料は湿気防止の柿渋やすす、漆などを混ぜたものと言われている。
石などを落として直下の敵を攻撃するための仕掛け。 松江城には附櫓、天守二階の四隅に設けられている。 松江城天守は袴腰型の石落とし。
切り出された時の矢穴の残るあまり加工されていない石などを積み上げたつくりで、高さ約7m。 附櫓入り口付近に鍵のような刻印がある。